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団長の憂鬱:アナザーストーリー(時系列12)

「あ〜やっと終わった。」 肩を回しながら廊下を歩く。 ああいう堅苦しい話し合いをすることには異論はないが、どうにも政治的なことばかりを気にする奴らとはノリが合わない。 「なんか嫌な予感がするぜ……。」 これは戦士の勘だ。...

外伝:セレスティアの王妃(過去編1)

まだ時々夢に見る。 迫り来る炎、紅く染まった部屋。 私は独りだった。 前の日の夜は、久しぶりにお父様に絵本を読んでもらった。 寝る前には額に優しくキスをしてくれた。 でも、目が覚めると、そこは炎の海。 お気に入りのお人形、いつも遊んでいたお馬さんの乗り物、お母様に欲しいと駄...

アトラスの軌跡(序)

雨乞いの儀。 それは古来より引き継がれるミコエル教の儀式の1つである。 「地が乾き、水が枯れ、人が嘆くとき、天使へ祈りの歌を捧げるべし」 大天使ミコエルのスキル「大天使の加護」 信徒の祈りにより力を得るこのスキルは、祈りの歌によって最大限に引き上げられる。...

魔物の国「シルバーケープ」の悲劇:アナザーストーリー(時系列11)

レミルメリカで最北端に位置する氷雪の国シルバーケープ。 寒さで作物がうまく育たず、国土の半分が氷と雪に埋もれている。 過酷な環境にあるこの国がなぜ国として機能を果たせているのか。 それは国土の南側に位置する「試練の島」と呼ばれる1万を超える島々に秘密がある。...

塔の国「プロムナード」:アナザーストーリー(時系列10)

セレスティアと海を挟んで反対側に位置するその国は、ミコエル教とは異なる思想が支配する地『プロムナード』。 その思想は、かつてレミルメリカで起こった大きな戦争を治めたとされる2体の精霊と、月と星を司る2体の女神を祀る思想。...

海洋の国「プリズム」:アナザーストーリー(時系列9)

深海の国『プリズム』 ぐへへPの治めるセレスティアに隣接する海ムーンアイズの深海に位置するこの国は、多種多様な海洋種族が暮らす海の楽園である。 国の周りが不規則な海流に囲まれているため、外敵の侵入が困難である。 レミルメリカのすべての海はひとつに繋がっており、プリズムがその...

ミコエル神殿の章(本編2)

大天使ミコエル、運営神TOMOKI++ 2人の契約書を入手した俺は、タブレットを片手にハザマノセカイの出口の前に立つ。 ミコエルの言った通り、少し歩いた場所に灰色の石で作られたドアが立っていた。 ちなみに、『子どもでもよくわかる魔法』はもう使っておいた。...

セレスティア王国:アナザーストーリー(時系列8)

王国の会議室。 10本の柱に支えられた天井は高く、円卓の机が中央に置かれている。 円卓の周囲には、12個の装飾された椅子があり、中央には模様が描かれていた。 柱の一つ一つの前に光の玉が浮遊しており、明るい輝きを放っている。 その光が天井まですべてを明るく照らしているらしい。...

動き出す闇:アナザーストーリー(時系列7)

「ミコエル教の雨乞いの儀の曲の進捗はどうだ?」 男はメッセージで兵士からの報告を受ける。 どうやら曲は完成まではしばらくかかるようだ。 「ふむ、ご苦労。あまりに早いようなら俺のスキルを使っても良かったんだが。」 こるんもうまく時間をかけてくれているようだ。...

魔物ハンター:アナザーストーリー(時系列6)

「ご苦労、下がっていいぞ。」 兵士から受け取った報告書に目を通すと、手を振って出て行くように指示を出した。 「このタイミングで人語を話す魔物が出現するとはな。」 トカゲアザラゴンなる魔物の存在は王国に激震をもたらした。 魔物を喰らう巨大な魔物。...

森の戦姫:アナザーストーリー(時系列5)

鬱蒼と茂る森の奥。 彼女は身を潜め、獲物が動くのを待っていた。 目の前にいるのは鹿だ。 首を下にして夢中で草を食べている。 群れとはぐれたのか、他の鹿がいない。 満足したのか、鹿は無防備に首を持ち上げた。 その瞬間、彼女は草陰から飛び出し剣を振るう。 「ウインドエッジ」...

異端審問官:アナザーストーリー(時系列4)

「火をつけよ」 指示を受けた兵士が片手の松明で足元の藁に火を放つ。 藁の上に建てられた十字架には、もはや生気を失った顔の男が貼り付けられている。 足元に火が迫っているというのに顔色ひとつ変えない男はむしろ不気味である。 そんな男の顔を、表情ひとつ変えずに動かさず見つめる男が...

異端者たち:アナザーストーリー(時系列3)

「顧問P様、ミコエル教が雨乞いの儀を行うとの情報が入りましてございます。」 走って来た兵士が告げる。 「すでに吟遊詩人から聴いている。あいつ、惜しげも無く歌をくれてやるらしい。全く……自分のことしか考えない詩人も困ったものだ。」 「どうなさるおつもりで?」 別の声が響く。...

雨乞いの儀:アナザーストーリー(時系列2)

ドイルと別れたミコエルは、急ぎ天界へと戻ってきた。 「ミコエル様……少しよろしいでしょうか?」 「どうしたのです、まきエル。突然私を呼び出して。」 跪いている男は、まきの、ミコエルの従者である。 まきエルという名前はミコエルからもらったものだ。...

神獣降臨:アナザーストーリー(時系列1)

街道を兵士たちが走っている。彼らは雨の中を必死に現場に向かっていた。 「いそげ、雨に負けるな。」 ひどい雨が大地を打つ音に合わせて、ぬかるんだ地面を走る兵士たちの足音が響く。 レミルメリカの地には久しぶりの雨が降っている。 そんな時、城にいた兵士たちに出動命令が下ったのだ。...

はじまりの章(本編1)

1分ほど再起動します。 #ボカロ丼業務連絡タイム どうやら、今から1分間はサーバーが動きを止めるらしい。 つい今しがたまで次々と流れていた文字列がピタリと動きを止めている。 俺の名前は、土居流星(どいりゅうせい) 流れ星が結婚したきっかけだったとかいうメルヘンな両親につけら...

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